家康最後の日々
室町時代が終焉し、江戸時代へ至る動乱の世に生きた数多の武将たち。関ヶ原の戦いで、ついに家康が勝ち名乗りをあげる。天下人となった家康は、戦いのない天下泰平の国、共存共栄の世界づくりに邁進する。
これまで徳川家康をめぐる多くの著作が、関ヶ原の戦いまでの、織田信長・豊臣秀吉と続く、戦国の日本を統一へと導く「武将としての姿」、数々の戦いの場面を描いているが、武将としての家康はそこで終わる。そこから「政治家としての家康」が始まるが、それらはほとんど触れられてこなかった。本書は、家康の国内の秩序の安定策、スペイン・オランダ・ポルトガル・イギリスとの貿易を機軸にした交渉、キリスト教対策、等々を丁寧に調べ上げ、この世に泰平を開こうとする人間家康の矜持に迫ります。
<内容>
第一章 慶長十四年(一) オランダ人来航
第二章 慶長十四年(二) スペイン船漂着
第三章 マドレ・デ・デウス号事件
第四章 慶長十六年 家康最後の大勝負
第五章 慶長十八年 終わりの始まり
第六章「さらばじゃ」
<著者紹介>
岸本 静江 (きしもと しずえ)
習志野市出身、市原市在住。旧姓、下尾静江(しもお しずえ)。東京外国語大学スペイン科卒。
NHK国際局ヨーロッパ・中南米向けスペイン語放送に従事。
時事通信社国際部中南米向けニュース翻訳・送信班勤務。
1980~1982年、夫の陶芸家、岸本恭一がJICA(国際協力事業団)専門家として「トルーカ陶磁器学校」設立の際通訳として同行、家族と共にメキシコ在住。文学グループ「槇の会」同人。
市原市主催「更級日記千年紀文学賞」選考委員。
著書:『家康とドン・ロドリゴ』(冨山房インターナショナル)、『太陽の国の陶芸家』『コーヒーを挽きながら』(文園社)
共著:『ユニーク個人文学館・記念館』(新人物往来社)訳書:M.A.アストゥリアス『マヤの三つの太陽』(新潮社)、J.L.ボルヘス『エバリスト・カリエゴ』(国書刊行会)
共訳:『世界短編名作選・ラテンアメリカ編』(新日本出版社)
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