「朗読」指導30年の著者が体験をもとにその魅力を語る!

近年、大学においては、従来の「国文学」一辺倒から言語学あるいはコミュニケーション言語としての「日本語」の教育・研究が広がっている。国文学と日本語学の大きな違いは、音声言語としての日本語研究・教育が重要視されることにある。

また、一般社会に目を向ければ、従来からの「読書愛好」から発展して、「朗読」あるいは「読み聞かせ」の人気・関心が年々高まっている。殊に平成以降、文学を「活字」で楽しむだけでなく、「音声」で自己表現あるいは鑑賞する潮流が勢いを増し、全国各地に朗読会あるいは朗読グループが誕生し、それぞれに地域の文化活動として、あるいは個人の生涯学習として、朗読発表活動が活発に行われている。

本書『朗読のすすめ―朗読が結ぶ異文化交流』は、群馬県前橋市を拠点に約30年にわたって朗読指導を行ってきた著者遠藤敦司氏が、前著『朗読講座―現代読み聞かせ入門』(東京書店、平成13年、絶版)を大幅に加筆改編し、朗読に関心のある人、これから朗読に取り組もうとする人々に、朗読の面白さ、朗読練習の要点をわかりやすく解説するものである。併せて、約30年の前橋朗読研究会の実践活動を通して広がったアジア・ヨーロッパの人々との交流談とともに、朗読実践が“生きる原動力”となっていることや“吃音障害”を克服するきっかけになった事例などを紹介し、「朗読」の“意外な力”を語る。

 


<著者紹介>
遠藤 敦司(えんどう あつし)
1931年、東京生まれ。ラジオ・テレビなどの制作報道部等を経  て、フリーの放送作家。元立正大学・共愛学園国際大学・NHK文化センター講師。現在は前橋朗読研究会を主宰。日本放送作家協会員。

著書:『崩壊結婚 残された夫たち・妻たち』(三一書房、1981)、『テレビ草創伝説 演出家23人の足跡』(三一書房,1995)、『ドキュメンタリービデオの創り方』(東京書店、2000)、『「朗読講座」現代読み聞かせ入門』(東京書店、2001)ほか。