負の前衛として
編集者、歌人、小説家、民俗学者、
日本地名研究所のリーダーの兄·谷川健一。
詩人、思想家、変革者、事業家、教育者の弟·谷川雁。
一見、正反対の兄弟が、意外と近いところに位置し、お互いが深いところで感化しあっていたのではないか。(中略)
健一と雁。兄弟の仕事と思想のベクトルは異なっているが、私たちのすぐ前の時代を生きて、精神の空洞化に抗し、失われた共同性の回復に取り組んだことで共通する。(「序」より)

 


 

<目次>

1 最後の戦中派
2 遅れてきた青年
3 原点が存在する
4 成熟へのひとしずく
5 サークル村から
6 日本残酷物語
7 三池闘争から安保闘争へ
8 知識人と大衆
9 民俗世界への眼差し
10 挫折と転生
11 谷川民俗学の場所
12 稀代のオルガナイザー
13 宮澤賢治vs.夢野久作
14 青の思想家
15 ロゴスとパトス
16 精神共同体の運命
結びにかえて

 


■2022年7月 「毎日新聞」に書評が掲載されました
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■2022年6月 「中日新聞/東京新聞」に書評が掲載されました
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■2022年6月 「NEWSポストセブン」に書評が掲載されました
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<著者紹介>
前田速夫 (まえだ・はやお)
民俗研究者。1944年生まれ。東京大学文学部英米文学科卒。68年新潮社入社。95年から2003年まで文芸誌『新潮」編集長を務め、谷川健一と親交を深める。87年より白山信仰などの研究を目的に「白山の会」を結成。主な著書に、『異界歴程』『白の民俗学へ』『「新しき村」の百年』など多数。『余多歩き 菊池山哉の人と学問』で読売文学賞受賞。