近世海事の革新者 工樂松右衛門伝 ―公益に尽くした七〇年
近世の海を変えた工樂松右衛門の真実!
革新的な帆布を開発して江戸期の海運に飛躍的発展をもたらし、やがて自作の作業船を駆使して現在の北方領土をはじめとして、日本各地の港湾整備にも尽力。北前船の船頭から海事百般の名工となった窮理実践者は、いかに自身の運命と向き合い、時代を切り拓いたのか? 工樂家伝来の未公開史料を加えて、公益に捧げた70年の生涯を再現した本格的評伝です。
〔目次より〕
序 章 海事の異才の虚と実
風景ノ壱 工樂松右衛門の生い立ち
風景ノ弐 兵庫津の発展と松右衛門の成長
風景ノ参 織帆の創製から御影屋開業まで
風景ノ四 蝦夷地に挑む群像のなかで
風景ノ五 名声とともに生きた晩年
終 章 窮理実践と近代への胎動
<著者紹介>
松田裕之(まつだ ひろゆき)
1958年、大阪府生まれ。関西大学商学部卒業。博士(商学)関西大学。松商学園短期大学、甲子園大学を経て、現在、神戸学院大学経営学部教授。
著書―『佐々木荘助 近代物流の先達―飛脚から陸運の政商へ』(冨山房インターナショナル)、『連邦陸軍電信隊の南北戦争─ITが救ったアメリカの危機』『一五〇年前のIT革命─岩倉使節団のニューメディア体験』(以上鳥影社)、『高島嘉右衛門─横浜政商の実業史』『モールス電信士のアメリカ史─IT時代を拓いた技術集団』(以上日本経済評論社) ほか多数。
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- 感想
- 工樂善通先生から本署をお送りいただきました。本書に感動いたしました。「工樂」の姓と由来は「善通」先生によって考古学・文化財、イコモスの世界ではよく知られている。その初代「松右衛門」の実像が本書で見事に解明された。