八甲田雪中行軍 一二〇年目の真実
<内容紹介>
“明暗”をわけたのはなにか ――120 年の時空に埋もれた
〈新たな真実〉を掘り起こす!
明治35(1902)年1月、極寒の八甲田山系を踏破する「雪中行軍」に挑んだ2つの陸軍歩兵部隊。
一方は全員帰還し、他方は199 名の凍死者を出した。
著者自らの体験と残された証言・記録を渉猟し、その「成功」と「失敗」の本質から現代の企業・組織にも通じる“教訓”を提起する労作。
<目 次>
第一章 「弘前歩兵第三十一連隊」三十八人の雪中行軍記
第二章 「青森歩兵第五連隊第二大隊」二一〇人の雪中行軍記
第三章 青森歩兵第五連隊救援捜索顛末
第四章 「八甲田雪中行軍」の影と栄光と
第五章 「八甲田雪中行軍」エピソード編
資料編 「福島泰蔵大尉の功績と遺産」
<著者紹介>
間山元喜(まやま・もとき)
青森県弘前市生まれ。弘前市在住。日本大学法学部卒業。陸上自衛隊定年退官。弘前歩兵第31連隊の雪中行軍に参加した間山仁助伍長の孫。55歳で弘前隊行軍コースの再現に挑む。青森テレビ・ドキュメント番組「熟年男の大ロマン・八甲田雪中行軍始末」で放映される。陸奥新報社連載。著書に『孫が挑んだもう一つの八甲田雪中行軍』(中経出版)。瑞宝単光章受章、全国善行賞受賞。
川嶋康男(かわしま・やすお)
ノンフィクション作家。北海道生まれ。札幌在住。主な著書に、『永訣の朝』(河出書房新社)、『凍れるいのち』『ラストアイヌ』(柏艪舎)『いのちの代償』(ポプラ社)、『100 年に一人の椅子職人』(新評論)ほか。児童ノンフィクション『大きな手大きな愛』(農文協)で第56 回産経児童出版文化賞JR 賞(準大賞)受賞。
- 投稿者
- 70代 男性
- 購入した動機
- 前略小生生まれは盛岡ですが、1歳の頃は十和田湖近くの蔦温泉で、また小学校は3年生4年生の頃三本木しょう(現十和田市)で過ごしました。今も当時の級友たちと交流がありますし、雪中行軍のことは祖父から聞いたことがあり興味も持って、本も10冊ほどですが所有しております。幸畑の墓地、資料館、馬立場の銅像なども訪れました。この時期(1~2月)になりますと、この史実のことに興味を呼び起こされます。
- 感想
- 投稿者
- 40代 女性
- 購入した動機
- 感想
- 吹き付ける行きと寒さの中、行軍している様子が書き示され、はかりしれない脅威を感じながら、一気に読破しました。そこには、綿密に真実が掘り起こされたドキュメンタリーの凄さを体験できました。ありがとうございます。
- 投稿者
- 80代 男性
- 購入した動機
- 2022年1月23日の毎日新聞余禄欄でこの本のことを知り読みました。
- 感想
- 僭越ながら若干の所感を述べさせていただきます。 1.まず著者が数多くの資料を読破、ご研究されたこと、さらには雪中行軍の再現を実践されたこと等、その探究心とご努力に敬意を表します。「坂の上の雲(司馬遼太郎著)」「危機管理のノウハウ(佐々淳行著」加えて「八甲田死の彷徨(新田次郎著)「八甲田山から還ってきた男(高木勉著)などを読んだことを思い出しながら読みました。 2.次に、下記の二点の疑問は解決しませんでした。 その1気象予報の把握と判断 日露戦争直前のこの時期、既に青森測候所も存在したと思うが、五連帯の出発前後の予報はどうであったのか、それをどのように知り、判断したのかがわからない。「天候の急変」だけではあまりにも非科学的過ぎるように思う。 その2.組織としてのガバナンス 210名と言う大世帯を編成し、かつこの時期に出発するという筋書きを誰が決めたのかどうか。早い段階での中止、引返しの判断。救援体制の遅さなども。 その3.「共著」という形を選択されたコンせぷトは?テリトリー、JOBは? 北八甲田山系を二回ほど高田大岳まで一人で歩いたことがあります。(紅葉の時期)、雪のない時期の八甲田山系はとても穏やかでした。北アルプスもほぼ全域踏破しました。
- 投稿者
- 80代 男性
- 購入した動機
- 感想
- 間川・川島漁師の共著、八甲田雪中行軍」「120年目の真実」の力作、興味深く読ませていただいています。陸軍と海軍の差はありますが、軍関係の殉難事故として非常に酷似した事故が、瀬戸内海の淡路島でありました。時は大正12年8月21日、兵庫県淡路市釜口地区の沖合5キロの地点で、進水式を終え、意気揚々と試験潜航中のドイツ式第70潜水艦が何らかの理由で沈没。旧海運関係者と造船所の技術者(神戸、川崎造船所所属)の計88人が全員、一蓮托生尊い命が奪われた。原因、善後処理について分からず。今は小さな碑を囲んで、有志らによる毎年の慰霊祭が細々と開かれているという。ご参考までに。
- 投稿者
- 60代・男性
- 購入した動機
- 感想
- 弘前隊が行軍した十和田湖が我町小坂町の区域です。八甲田雪中行軍の本10冊位購入しましたがもうやめます。この本は読みやすかったです。戦争を美化する気は無いが樹氷マニアの私。冬・八甲田に行ったら帰り山に亡くなった人にきちんといのっています。