谷川 健一 著
全集のしめくくりとなる第23巻は、谷川学のすべてを網羅するかのように幅広いジャンルからの論攷の集大成となった。古代から脈々と受け継がれている人類の営み、人間の来し方行く末に想いを馳せる著作の数々を収録する。
また、最終回となった巻末対話では、谷川民俗学の根底に横たわるキリスト教とのかかわりについて、イエスから親鸞まであますところなく語りつくす興味のつきない対話となっている。

【 内容 】
失われた日本を求めて(抄録)  古代人の魂について  わが古代史へ  魂の容れ物ひょうたん  古代史と民俗学(抄録)  十字路の神学  槻の小屋  死と影の系譜  中央構造線と山民の文化  神だった「銅を吹く人」  『青銅の神の足跡』その後  『神は細部に宿り給う』序説  流されびと  古代文化はぐくんだ内海、潟湖  民俗の思想  古代人のコスモロジー(抄録)  海の祝祭  琉球王国 ブームの光と影  国境を超えて飛ぶ  文人の文体  「常世」の世界観―折口学の核心  柳田国男と沖縄  柳田国男と八重山  「虚の器」の逆説  石の思想と泥の思想  ああ曠野  壺中の小天地―加藤治郎へ  『未青年』頌―サン・セバスチャンの殉教図にちなんで  「マグダラのマリア」をめぐって―小池光に答える  短歌における東日本と西日本―楕円の世界

<著者紹介>
谷川健一(たにがわ けんいち)

1921年、熊本県水俣市生まれ。東京大学文学部卒業。 『風土記日本』『日本残酷物語』、雑誌「太陽」の初代編集長を経て、文筆活動に入る。『南東文学発生論』で芸術選奨文部大臣賞・第2回南方熊楠賞受賞。『海霊・水の女』で短歌研究賞受賞。1981年以来、日本地名研究所所長として現在に至る。文化功労者。2013年、逝去。


 

谷川健一全集 第23巻 評論2
失われた日本を求めて(抄録) 評論 随想

定価:7,150円(本体6500円+税)

 

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2012年10月29日
ISBN978-4-905194-49-1 C0339