坪内 雄藏 著

わが国の教科書史上にモニュメントとして残る教科書(明治33年発行)の復刊!
上中流ではなく普通の人々を、都会人ではなく地方の人々を、戦争讃美ではなく平和、知育ではなく情育・徳育を重視し、読みのおもしろさを体験させる国語科最初の画期的教科書。わが国の義務教育の教科書が、明治期において検定制から国定制に切り換わる最後の数年間、その内容の上で、近代の教育史に残る国語の教科書が刊行された。それが、坪内逍遥が本名雄藏の名で冨山房より発行した『國語讀本 尋常小學校用』である。その教科書は、題材面から言語面にわたる教材の質の上で、きわめてすぐれたもので、わが国の教科書の歴史の上に輝かしい光芒を放つものであった。
田近洵一(東京学芸大学名誉教授、日本国語教育学会理事長)

発行=富山房企畫
発売=冨山房インターナショナル
<著者紹介>
坪内 雄藏(つぼうち ゆうぞう)
1859(安政6)年6月22日-1935(昭和10)年2月28日
現在の岐阜県美濃加茂市生まれ。東大卒、早大教授。坪内逍遥の名で、主に明治時代に小説家・評論家・翻訳家・劇作家・教育家として活躍。代表作に『小説神髄』『当世書生気質』などがある。